グループ法人税制同族会社
グループ法人税制等における同族会社の適用事例の検討
グループ法人税制は基本的には連結納税を選択しない「内国法人がその内国法人との間に完全支配関係がある他の内国法人との取引等」を前提に構成されており、事業法人の大多数を占める「個人により完全支配される同族会社」について適用する場合には以下のような問題が生ずる。
(東京税理士会上野支部平川忠雄税理士が「東京税理士会」2011年9月1日号に寄せた記事の抜粋です。)
I. 個人による完全支配関係の判定事例
兄-妹 兄-弟
丙------------妻=====甲------------乙
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100% 100% 100%
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C社 A社 B社
甲を中心に判定した場合は乙は2親等の親族、丙は2親等の姻族のため、A社、B社、C社はグループ法人に該当する。
丙を中心に判定した場合は甲は2親等の姻族のためA社、C社はグループ法人に該当するが、乙は4親等の姻族のためB社はグループ法人に該当しない。
このように誰を中心にみるかによってグループ法人の範囲が異なってしまう場合があるのは問題である。
II. 寄付金・受贈益の損金・益金不算入
グループ法人間での寄付金・低額譲渡等の扱いが、法人による完全支配の場合と個人による完全支配の場合で異なる。
原則的取扱い(法人による完全支配関係にある内国法人間の寄付金)
寄付法人:寄付金は損金不算入
受贈法人:受贈益は益金不算入
特例的取扱い(個人による完全支配関係にある内国法人間の寄付金)
個人支配関係の寄付金・受贈益はグループ法人課税適用対象外で、通常の寄付金と同じ取扱いとなる。
(平成22年8月10日国税庁質疑応答事例問5)
寄付法人:寄付金は損金算入限度額まで損金算入
受贈法人:受贈益は益金算入
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